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枕女王 新堂冬樹

未瑠は地下アイドルグループの中心メンバーとして秋葉原のイベント会場などで活動していた。しかし、芸能界の頂点を目指し、枕営業でのし上がっていく。


Amazonの『枕女王』のページ

枕営業でトップを目指す。いいじゃない。痛快だ。そう思って読むことにした。

業界の有力者を手玉に取ったり脅したり。未瑠は着実にチャンスを作りだし、ものにしていく。一方で、未瑠に対して執拗なアンチぶりを極める樹里亜。未瑠が芸能界から去ることを求める。なぜか未瑠の枕の証拠を持っていて、マスコミに流そうとしている。
と、未瑠がすんなり成功をおさめるというわけにはいかないという筋書き。

読んで爽快という終わり方ではなかったし、未瑠と樹里亜の悲惨さには悲しい気持ちになったけど、軽く読めてまあおもしろかったと言えるかな。
THEME:文学・小説 | GENRE:小説・文学 |

淳子のてっぺん  唯川恵(著)

世界で女性として初めてエベレスト登頂に成功した、田部井淳子氏をモデルにした小説。女性が山に登ることが少なかった時代に女性同士として初めて冬の谷川岳一ノ倉沢の登攀に成功し、女性だけの登山隊で世界初のエベレスト登頂を目指す。


Amazonの『淳子のてっぺん』のページ

Wikipediaの田部井淳子氏の記載(出身地、家族のこと、登攀パートナーなど)から、ほぼほぼ実話のよう。
「女だてら」とか「男勝り」なんて言葉は、今ほとんど死語になっているけど、淳子はそんな時代に「女なんだから」、「女なのに」と言われて生きてきた。幼少期から、女ゆえの葛藤を抱えながら折り合いをつけていくさまが興味深かった。女だからといって甘えない、だけど、相手や周囲の気持ちを読んで、問題を回避するように注意を払う。

ヒマラヤ登山(エベレストとアンナプルナ)はシェルパが荷物を運んでルートを先に行ってガイドしたうえで、登山隊は登る。つまり、添乗員付きツアーのようなものだということを知った。
THEME:文学・小説 | GENRE:小説・文学 |

蜜蜂と遠雷 恩田陸

優秀な新人ピアニストを輩出して世界の注目が集まりだしている芳ヶ江国際ピアノコンクールには、今回規格外のコンテスタントが参加していた。風間塵。16歳の少年。演奏活動歴がなく音楽学校にいたわけでもない。けれども、先頃亡くなった伝説的なピアニスト、ユウジ・フォン=ホフマンに師事し、その推薦状を携えていた。ホフマンは取った弟子の数は少なく、推薦状を出したことがなかったことから審査員たちは大きな衝撃を受けていた。


Amazonの『蜜蜂と遠雷』のページ


面白かったのか、面白くなかったのかを言えば、面白かった。

読みだしてすぐ思った。語り口が距離と時間を感じさせる。ちょっと人を食ったような。『アラビアの夜の種族』を思い出した。つまり、主な舞台を現代の日本としながら、ファンタジーのタッチがある。
この感触は間違っていなかった。コンテスタントの演奏で、別のコンテスタントがヴィジョンを見る。あるいは演奏中にヴィジョンを見る。
また、風間塵が、同じコンテスタントの栄伝亜夜を「おねいさん」と呼ぶのも現実離れしている。いくらヨーロッパで過ごし学校に行っていなかったとしても、16歳の日本語を話す少年が気に入った相手の名前を呼ばず「おねいさん」と呼ぶのは普通に考えて不愉快だ。ファンタジーでなければ許されない。

コンテスタントの中で最初に登場する風間塵は父親の養蜂業を手伝っている。本のタイトル『蜜蜂と遠雷』からしてもこの少年が主人公であり、この少年の成功物語になるのだろうと思うのだが、風間塵にについて語られる部分は案外少ない。有力なコンテスタント4人が同じぐらいの比重で語られる。中でも栄伝亜夜のウェイトは大きい。

天衣無縫な自然児がピアノコンテストに大旋風を巻き起こす。『ピアノの森』の一ノ瀬海と後半の話を思い起こさせられた。それだけでも十分に面白い話として成立するが、本作品にはまだトリックがめぐらされていた。
ホフマンの推薦状のことばを解釈し、その言葉どおりになるというところ。パリのオーディションから風間塵の演奏を聴き続けた審査員の嵯峨美枝子が巧みにナビゲーションする。最後にそこに鍵があったのだと知る。

ピアノ曲が出てくるので自然と脳内BGMはピアノ曲になった。
曲名を言われて確実に曲が頭に浮かぶのはサティの「あなたがほしい」とショパンの「バラード第一番」(スケオタなら否が応でもこの旋律は頭に浮かぶだろう…これが羽生結弦に2個目の金メダルを取らせたのだから)ぐらいだった。あとは聞いたことがあるかもしれないけど、よくわからない。なので、作曲家名から連想される曲を適当に頭の中で鳴らしながら読んでいた。
でも途中でふと気づき、スマホで曲名を検索してYouTube動画を機器ながら読んだ。これは、お手軽でいい。読書がメインなのだから音質に高いものは求めない。むしろ読書の邪魔にならないほどほどの音質がいい(ハイレゾだと音楽に耳を奪われるし、ノイズがあってはそれも注意を奪われる)という点でもスマホからというのは私にとって大正解。今後、読書していて曲名が出てきたらこの方法をまた使おう。
THEME:文学・小説 | GENRE:小説・文学 |

インフルエンス 近藤史恵

戸塚友梨は物心がついたときには友達だった日野里子が祖父から児童虐待に遭っていることを知る。厳密には友梨はそれを知ったとき幼すぎでそのことを理解できなかったが、まず里子のことばから友梨の祖父がそれを推察し、何年か後に後に理解する。それをきっかけに友梨は里子と疎遠になっていくが、友梨は何もしなかった自分に罪悪感を抱いて生きていく。


Amazonの『インフルエンス』のページ

友梨は、自分を取り巻く環境に翻弄されて生きていく。だからといって、それを周囲のせいにはしない。周囲の大人を少しいやだと思うが、状況を分析してしかたがないものと捉えて。その場で最善と考えられることを判断して、結局受動的に生きていく。

それでも大学卒業後に家から出る道を選んで、それまで秘密にして抱えてきたものを振り払いリセットしようとする。ちょうど終盤で警察に出頭して犯罪の自白することで、逃げ回るよりやり直そうと考えたように。
家を出ても結局、2番目の禍根となる友達、坂崎真帆から連絡を受け、絡め取られるように新たな犯罪の渦の中に身を置くことになる。

真帆は友梨が真帆にしてくれたことから強烈な気持ちを抱いていたとあとにわかるが、真帆は友梨にひどいことを言っていること、友梨が真帆の指示どおりにことを行ったであろうと知り微笑んだことを考えると、結局真帆は自分を愛するために友梨を使ったのではないかと思えてならない。

平凡に生きられる気質を持っていた友梨が「インフルエンス」と名付けられた因果に巻き込まれる様子。3人の子ども→女が奏でる3拍子の短調。少女同士のプリミティブな思慕からのそうとはわからない産物。これが、本作の味わいどころだ。

事件は、誰がどのように行ったか書き込まれていても、どうしてそのようにしたのかは伏せられていた。それが明かされるときがクライマックスである。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

アンカー 今野敏

集英社 内容紹介: http://renzaburo.jp/anchor/


Amazonの『アンカー』のページへ

今野作品によくあるように、一番のポイントは人が組織でどのように仕事をするかだ。それが骨子とすれば、推理やテレビ局、警視庁という舞台は、その上の肉付けになる。

『ニュースイレブン』のデスク、鳩村が、報道局長の意向で配属された自分とは大きく意見の異なる新任サブデスクとどうやっていくか。そして、風来坊型の記者、布施や、その他の番組メンバーたちと番組をどうまとめていくか。そこが面白いところだった。
警視庁の継続捜査担当の黒田と谷口も布施にヒントをもらいながら、地道に捜査していくところもいい。

他のシリーズ同様、かる~く読めた。これもいいところ。
THEME:今野敏 | GENRE:本・雑誌 |

明るい夜に出かけて 佐藤多佳子

夜に明るく周囲を照らすコンビニ。
俺、富山は、接触恐怖症という心の病を抱え、大学で付き合っていた女の子のからみで、ソーシャルメディアで晒されたという事件で、大学に通えなくなり、休学中。
世田谷区の実家を離れ、海に近い横浜市の南でアパートを借り、コンビニの深夜バイトで生活している。
ある晩、偶然勤務している店で、自分が気に入っている番組、アルコ&ピースのオールナイトニッポンの職人(番組に投稿するリスナー)に会う。


Amazonの『明るい夜に出かけて』

真夜中に感じる独特の気持ち。高揚感、充たされたような、飢えているような気持ち。孤独なような、その時間の空間を支配しているような。どこかに仲間、自分と同じような人がいるのじゃないか、そんな人に巡り会いたいというような気持ち。
そんな真夜中に感じる何かが、本書で物語として表現されている。
深夜ラジオなんて中高以降、何十年も聴いていない、夜中にコンビニに行く、または、外を歩く、海を見に行くなんてことも長いことやっていない。最近、夜中に起きていることもよくあるが、仕事に追われているか、読書でうっかり眠り損ねているときだけだ。
それでも?それだから?伝わってくるものがあった。

滑らかで豊かな展開がパンチの効いた設定の上を走る。
接触恐怖症で、人に触られそうになると相手が女の子でも突き飛ばしてしまう俺。「虹色ギャランドゥ」というラジオネームの紙一重の投稿をする天才的職人が小柄な女子高校生。コンビニの深夜勤務のリーダーが、ライブやSNSで発信する「歌い手」で、確実なファンがいて、モテるのに破綻型の女の子が好み。
登場人物が有機的にからむことで生まれるうねりとハーモニー。
楽しんだ。

もうぬげない ヨシタケシンスケ

こどもの「ぼく」が服が脱げなくなって考えたこと。


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ぼくのふくが ひっかかって ぬげなくなって、
もう どのくらい たったのかしら。


現状の提示→回想→現状説明→状況維持の空想→現状の問題→状況悪化→他者の介入と解決→類似問題の発生
服が脱げないまま、話が発展していき、服が脱げないままの生活を空想する。
どうなるの?ワクワクする。
ポーカーフェイスの猫を頭に乗っけて外を歩くさまなど、イラストも和める。

だって、ふくが ひっかかってるだけで、ほかのひとと
なんにも かわらないんだから。


服が脱げなくなったこどもを例えとして、精神的、状況的に似たような人や社会を暗示しているのではないかなんて思う。自分や、自分の周り、社会、歴史の「もうぬげない」を考える。

最初のページでの現状を示した導入の次が、状況に至るまでを説明する回想シーンと、時系列成っていない。こどもが読んで理解するには難しいのではと思うけど、それは自分がそういふうに話が飛ぶのに弱いからそう思うのだろうか。
THEME:絵本 | GENRE:本・雑誌 |

ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵

奈良瑛子は、以前同じ会社に努めていた葛井円に再会した。円は瑛子の自宅のそばで、カフェ・ルーズというカフェを営業していたのだ。客を旅に出ている気分にさせるカフェ。円は、ほぼ毎月世界中に旅に出て旅先で出会ったおいしい料理やお菓子、飲み物をメニューに取り入れていた。
瑛子はカフェ・ルーズが気に入り、頻繁に通うようになる。

第一話 苺のスープ
第二話 ロシア風チーズケーキ
第三話 月はどこに消えた?
第四話 幾層にもなった心
第五話 おがくずのスイーツ
第六話 鴛鴦茶のように
第七話 ホイップクリームの決意
第八話 食いしん坊のコーヒー
第九話 思い出のバクラヴァ
最終話


Amazonの『ときどき旅に出るカフェ』のページ

第一話~第六話までは、瑛子の身の回りや店で起きた、ちょっとザワッとするような小さなミステリーを円または瑛子が看破していくという一話完結方式。
自宅のそばで気楽に行けてすてきな心地よいカフェで過ごす。このまま、ほわんほわんと続くのかと思いきや…。
第七話以降、カフェ・ルーズにライバル店登場というだけではない、円に何やらいわくがありげ。一話で完結しなくなり、「最終話」がそれまでのようなカフェメニューに掛けたタイトルがない。「最終話」とだけ記されたページを見ると、何とも不吉さを感じさせる演出。

語り手の瑛子は、控えめながらそつのない感じのいい女性だ。
好感の持てる人物だけに、心の中の描写として人を批判するときが刺さった。その批判が自分に当てはまるだろうと思えたから。カフェで大きな声で話していたり、人の悪口を言っていたりすることもあっただろう。
また、円も同様。外国のレストランにて日本語でその国を悪く言う。心当たり大アリ。
おっしゃることはごもっともだし、今後そのようなことのないようにとは思うけど、現実世界で自分が好きな瑛子や円のような人たちに内心そういうふうに思われていたんだろうなと思うとショックだよね。

瑛子のタイプは近藤氏の作品によくある若い男性の語り手とタイプが同じだ。内省的で周りをよく見ている。男性で世代も違うと、すてきな人物で流してしまうところだけど、同性となると、受け止め方が違うんだなあとも思った。
THEME:ミステリ | GENRE:小説・文学 |

回帰 今野敏

警視庁刑事部捜査一課 殺人犯捜査第三係の樋口顕(ひぐちあきら)の母校の門の近くで爆弾テロが起こった。指揮本部が設置され、刑事部のみならず、公安部やSITの者たちとの協調が求められる。
そんな中、樋口の上司である第二強行犯捜査担当の天童隆一が退職した元部下の因幡より電話があり、事件の前にテロを防ぎたいので協力してほしいと言われたという。しかし、その因幡は海外を放浪した末に、国際テロ組織に入ったという噂があった。


Amazonの『回帰』のページ

面白かった。
どんでん返しの展開と緊張感が…かなあ。
細部はむむむーというところがあったけど。

読んでいる間中、この表紙の写真はどこで撮ったのか気になっていた。NTTビルと新宿の高層ビル群らしきものが見え、手前にラグビーグラウンドがある場所。読み終わる少し前に気がついた。この事件現場と想定されている上智大学(作品のなかでは大学の名前は出されていない)の脇の桜並木の土手からの写真だ。ここ
最初に桜の季節にこの桜並木の土手に行ったときに土手の上から転げ落ちた(飲んだ後で酔っていた)。それで、ここに行くたび、ここの話題が出るたび、そのことが真っ先に思い出される。
THEME:今野敏 | GENRE:本・雑誌 |

継続捜査ゼミ 今野敏

小早川一郎は警視庁で刑事や警察学校校長の経歴があり、退官して大学(女子大)の准教授になった。
未解決の継続捜査案件を取り上げ、捜査の進め方や考え方を学ぶというゼミを設定した。
取り上げたのは、15年前に発生した居直り強盗と見られる殺人事件だった。一軒家に住む老夫婦が殺されていた。
ゼミ用資料を提供した目黒署の安斎をはじめ、警視庁の関係者は小早川ゼミに協力的で、ゼミ生は、それぞれの観点で意見を出し合いながら、事件の核心に迫る。



STのシリーズと共通する印象。
小早川とゼミ生たちが集団で移動して、それぞれの長所を活かすというところが。
もちろん、ゼミ生たちにSTメンバーたちのような専門性はないし、逆にSTメンバーたちのような変な弱点はない。そして、ゼミ生と小早川は、女子大生であるということと、評価の高い警視庁OBということで、関係者に歓迎されるというところも違う。

ゼミ生は全員熱心で、週1のところ、週2にすることを申し入れたり、ゼミ後毎度レストランに行ったりと楽しげ。

大学は三宿(世田谷区)にあるという設定。
今野氏はこの辺を使うのがお好きらしい。
任侠シリーズ(任侠病院かな)で弦巻。
安積班シリーズの安積か隠蔽捜査シリーズの伊丹が青葉台に住んでいたと記憶。
他にもちょくちょく出てくる。
THEME:今野敏 | GENRE:本・雑誌 |
プロフィール
自分的に人生で一番の読書ブーム到来。 忘れっぽいので、読んだ本のログをとることにしました。 題名だけじゃ、内容を覚えられなくて、読んだことすら忘れるほどの忘れんぼ。
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