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2019-07-13 (Sat)  17:41

今では福祉大国のスウェーデンの’72年 『密室』

何がびっくりしたって、生活困窮者がドッグフードしか食べられないという記述。人間がドッグフード食べて飢えをしのぐことができるのか。
マルティン・ベックが扱うことになった変死事件の年金生活者は、キャットフードを食べていたという。

話は、銀行強盗から始まる。犯人は女性。
偶然から殺人が起きたため、初動捜査からエイナール・ルンとグンヴァルド・ラーソンが加わる。ブルドーザーの異名を取るオルソン検事が捜査をけん引する。
犬猿の仲だった、ラーソンとコルベリが仲良く掛け合い漫才のような会話をしている様子が楽しい。その他、本書は皮肉なセリフや展開に軽く笑わされるシーンが多かったよう思う。


Amazonの『密室』のページ

変死事件と銀行強盗の捜査が並行して進み、どちらも退屈しない。
捜査の中で離婚したマルティン・ベックが活発で世話焼きのすてきな女性と知り合うというくだりも悪くない。

銀行強盗なんてその頃も日本じゃ滅多に起きることじゃなかったけれど、スウェーデンでは頻発していたという。
人間の思考や感情は似通っているから、スウェーデン人が書いたものも、こうして翻訳されれば楽しむことができ共感できる。けれど、お金がないといってドッグフードやキャットフードを食べたり、銀行強盗したりというのは日本人とはずいぶん違うと感じる。そりゃ、当時からそんな行動を取るスウェーデン人が普通でないことはわかっているけど。(殺人を犯すことが普通でないことと同様に)
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最終更新日 : 2019-07-13

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