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読みました

読んだ本、まんがについて片っ端に記録していきます。「見ました」「聴きました」も紛れています。

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2019-08-18 (Sun)

秘密を知った人間が殺される?『キンモクセイ』

秘密を知った人間が殺される?『キンモクセイ』

若干ネタバレあり。警視庁警備局警備企画課、課長補佐の隼瀬順平はキャリア警察官。法務省刑事局総務課の官僚が殺され、警備企画課で情報収集の専任チーム要員に任命された。間もなく被疑者がアメリカ人という情報が入ってきた。しかし、犯人が検挙されてもいないのに翌日チームは解散された。同時に捜査本部も大幅に縮小され事実上捜査は打ち切りとなった。非常におかしい。同僚の課長補佐、水木とともに課長には内緒で調査を続け...

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若干ネタバレあり。

警視庁警備局警備企画課、課長補佐の隼瀬順平はキャリア警察官。
法務省刑事局総務課の官僚が殺され、警備企画課で情報収集の専任チーム要員に任命された。間もなく被疑者がアメリカ人という情報が入ってきた。しかし、犯人が検挙されてもいないのに翌日チームは解散された。同時に捜査本部も大幅に縮小され事実上捜査は打ち切りとなった。非常におかしい。同僚の課長補佐、水木とともに課長には内緒で調査を続けることになった。
刑事局の後輩、岸本から被害者が「キンモクセイ」ということばを発していたという情報を得たが、それが花の「キンモクセイ」以外のものを意味しているということだけで、何を指しているのかがわからない。そして、その岸本が隼瀬に会った翌日に官舎で首を吊って亡くなっているのが見つかった。最後に岸本に会ったのは隼瀬だという。


Amazonの『キンモクセイ』のページ

ミステリーがあるというだけでなく、隼瀬を取り囲むように不穏な空気があり、狭まってくる感じがスリリング。
だれが味方でだれが敵なのか。隼瀬が逮捕されそうになり逃亡するに至ってこの緊張が最高潮に高まる。
最後は意外な展開で爽快に終わる。

今野作品に多い設定だが、舞台は東京。しかも、自分にとって土地勘のある場所が多く出てくる。渋谷から国道246界隈の目黒区、世田谷区など。
想像がしやすくなり、その分没入感も高い。
なのだが、微妙に架空な設定があり、引っかかった。
まず、東急本店の前を通ると、右の松濤にも左の円山町のホテル街の場所にデルという記述。これは、現実に剃っている。
しかし、曲がらず道なりに歩いても、山の手通りと246の交差点には出ない。
この辺は以前済んでいて、渋谷から近道を取って円山町のホテル街を通って家に帰ろうとして、「3万でどう?」とか声をかけられることもあったほどなので、懐かしいと同時にちょっと違うと気になってしまった。

最後に印象に残ったことば。

「公務員ってのはな。昔でいえば侍だ」
(中略)「侍ってのは、日々命を賭けてるもんなんだ」


同僚の水木のことば。キャリア警察官にしてはべらんめえ調だけど、公務員がこんな風に考えてくれてたらいいね。
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2019-08-10 (Sat)

寝る前の読書に不向きの怖さ 『許されようとは思いません』

寝る前の読書に不向きの怖さ 『許されようとは思いません』

「許されようとは思いません」というのは、この本を読もうと思ったときの自分の心情と一致した。5月か6月だったと思う。短編集なので軽く読めると思った。しかし、それは見当違いだった。全編スリルの連続。一編一編が短い分、むしろ息つく暇なくスリル要素がみっちり詰め込まれている。目撃者はいなかった若い営業部員、修哉が注文伝票の入力ミスで卸売業者に誤発注。発注を修正すればよかった。でも、それができない。まず、それ...

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「許されようとは思いません」というのは、この本を読もうと思ったときの自分の心情と一致した。5月か6月だったと思う。
短編集なので軽く読めると思った。しかし、それは見当違いだった。全編スリルの連続。一編一編が短い分、むしろ息つく暇なくスリル要素がみっちり詰め込まれている。


目撃者はいなかった

若い営業部員、修哉が注文伝票の入力ミスで卸売業者に誤発注。発注を修正すればよかった。でも、それができない。

まず、それができないという状況設定からして巧み。そして修哉が、もみ消しの行動や嘘から営業部員は追い込まれていく。隙なく張り巡らされた罠のように。


ありがとう、ばあば

容姿の美しい9歳の孫、杏。「わたし」、「ばあば」は、芸能活動をする杏のマネージャーをしていた。
杏が子役として撮影で訪れた旅先のホテルで「わたし」がバルコニーに出た際、杏がベランダと部屋を結ぶ窓のクレセント錠を閉めた。「わたし」が開けるように言っても杏は開けない。綿雪が舞い降りる寒さの中、このまま浴衣一枚でベランダに締め出されたら凍え死にかねない。

「わたし」が杏や「わたし」の娘とのやり取りを回想する。その中で、杏のためを思っての「わたし」の言動が杏の意図に反するものだったのかもしれないと思い始める。
少しネタバレになるが、杏は情緒の発達に問題のある子どもだと言えるだろう。それが伏線として敷かれていて、最後に驚かされる。


絵の中の男


「私」はかつて画廊勤務で浅宮二月という画家とその夫である画家の担当であり、担当であった間、浅宮家に住み込みで家事の手伝いをしていた。
「私」がその間に目の当たりにした2件の惨事について語る。


姉のように

それまで尊敬して悩みを相談していた姉が逮捕された。逮捕後姉は面会に応じてくれない。夫は事件を起こした姉を非難する。
「私」は犯罪者の妹として見られ、周囲とぎくしゃくし始める。三歳になる娘の育児に悩むが相談できる相手はいない。

許されようとは思いません

「私」は(付き合って4年になる)水絵を連れて祖母の骨壺を持って母方の田舎にやってきた。祖母の骨壺を墓に納めるために。駅に迎えに来るはずだった母が来なかったということを始め、少しおかしなことが起きる。

『絵の中の男』、『姉のように』、『許されようとは思いません』とも、意外な展開または結末が待っている。


Amazonの『許されようとは思いません』へ

どれもスリル感が強烈で、それはエンタメとして優れているのだろうけど、寝る前の読書としてはきつい。面白さと怖さから眠くならず二晩で読んでしまった。(私は通常日本の小説300ページほどだと夜だけ読んだ場合1週間ほどかかる)

最近読書をしていて頻繁にあることだけど、身近な死と後悔が話の内容に沿って思い出され、改めて考えなおされることがあり、それとスリル感が相まって交感神経系の優先状態になってしまった。

紐のしおりが付いている。新潮文庫だから。
最近は単行本でも紐しおりが付いていない本があるけど、あったほうが圧倒的に便利。
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2019-07-13 (Sat)

今では福祉大国のスウェーデンの’72年 『密室』

今では福祉大国のスウェーデンの’72年 『密室』

何がびっくりしたって、生活困窮者がドッグフードしか食べられないという記述。人間がドッグフード食べて飢えをしのぐことができるのか。マルティン・ベックが扱うことになった変死事件の年金生活者は、キャットフードを食べていたという。話は、銀行強盗から始まる。犯人は女性。偶然から殺人が起きたため、初動捜査からエイナール・ルンとグンヴァルド・ラーソンが加わる。ブルドーザーの異名を取るオルソン検事が捜査をけん引す...

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何がびっくりしたって、生活困窮者がドッグフードしか食べられないという記述。人間がドッグフード食べて飢えをしのぐことができるのか。
マルティン・ベックが扱うことになった変死事件の年金生活者は、キャットフードを食べていたという。

話は、銀行強盗から始まる。犯人は女性。
偶然から殺人が起きたため、初動捜査からエイナール・ルンとグンヴァルド・ラーソンが加わる。ブルドーザーの異名を取るオルソン検事が捜査をけん引する。
犬猿の仲だった、ラーソンとコルベリが仲良く掛け合い漫才のような会話をしている様子が楽しい。その他、本書は皮肉なセリフや展開に軽く笑わされるシーンが多かったよう思う。


Amazonの『密室』のページ

変死事件と銀行強盗の捜査が並行して進み、どちらも退屈しない。
捜査の中で離婚したマルティン・ベックが活発で世話焼きのすてきな女性と知り合うというくだりも悪くない。

銀行強盗なんてその頃も日本じゃ滅多に起きることじゃなかったけれど、スウェーデンでは頻発していたという。
人間の思考や感情は似通っているから、スウェーデン人が書いたものも、こうして翻訳されれば楽しむことができ共感できる。けれど、お金がないといってドッグフードやキャットフードを食べたり、銀行強盗したりというのは日本人とはずいぶん違うと感じる。そりゃ、当時からそんな行動を取るスウェーデン人が普通でないことはわかっているけど。(殺人を犯すことが普通でないことと同様に)
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2019-07-10 (Wed)

『唾棄すべき男』が殺された

『唾棄すべき男』が殺された

病院に入院中の警察官が病室で殺された。被害者は唾棄すべき男。サディスティックな男で、何度も、何人もの人間から本人や仲間の警察官の所業に関し、法務省護民官宛に訴状が出されていたが、すべて却下されていた。Amazonの『唾棄すべき男』のページへ被害者の生前の行動を明らかにすることで、犯人像があぶり出されていく。犯人が警察への復讐を考えていると推察されるところで緊張が高まる。最後は狙撃の名手である犯人との銃撃...

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病院に入院中の警察官が病室で殺された。
被害者は唾棄すべき男。サディスティックな男で、何度も、何人もの人間から本人や仲間の警察官の所業に関し、法務省護民官宛に訴状が出されていたが、すべて却下されていた。


Amazonの『唾棄すべき男』のページ

被害者の生前の行動を明らかにすることで、犯人像があぶり出されていく。
犯人が警察への復讐を考えていると推察されるところで緊張が高まる。
最後は狙撃の名手である犯人との銃撃戦。映画になっているというのも納得。文字でもそこは伝わってくる。

私にとってのハイライトは、グンヴァルド・ラーソンのプライベート描写。眠りから覚めてから、朝食を取り、シャワーを浴びるまで。
そこにトワイニングの『アイリッシュ・ブレックファスト』が登場。グンヴァルド・ラーソン ファンとして買った。というか、検索したらAmazonで売っていた。『アイリッシュ・ブレックファスト』なんて実在するのかといぶかしがりながらの検索だったけど、日本の販売元の独自パッケージになっていた。端っこのうさぎなどモチーフがかわいい。

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2019-06-19 (Wed)

最後の恋人が人生で一番愛した人との生活を伝える『フレディ・マーキュリーと私』

最後の恋人が人生で一番愛した人との生活を伝える『フレディ・マーキュリーと私』

フレディ・マーキュリーの最後の恋人、ジム・ハットンがフレディとの出会いから、フレディの死、その後までを綴っている。ロンドンで理容師をしていたジム・ハットンがゲイ・クラブ「ココバーナ」でフレディに見初められる。フレディがお気に入りの俳優に似ていたという理由で。収録されている写真でジム・ハットンのルックスを知る。なるほど。当時のクイーンのステージ以外の写真で見たことのある人物だ。ネットを検索して得た情...

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フレディ・マーキュリーの最後の恋人、ジム・ハットンがフレディとの出会いから、フレディの死、その後までを綴っている。



ロンドンで理容師をしていたジム・ハットンがゲイ・クラブ「ココバーナ」でフレディに見初められる。フレディがお気に入りの俳優に似ていたという理由で。
収録されている写真でジム・ハットンのルックスを知る。なるほど。当時のクイーンのステージ以外の写真で見たことのある人物だ。

ネットを検索して得た情報だと、本書に出てくる他の人物たちも、フレディの恋人だった。フレディ専任のコックなど、フレディは恋人たちに仕事をあてがって自分の取り巻きにしていた(あるいは"ハーレムを作っていた"と言えるだろう)。ジムも理容師として働いていた店を辞めてからは、フレディの家の庭師になっている。
ただし、本書で直接語られているのは、フレディの遺産の大部分を相続したメアリーが自分でそう(「ワイフ」)と発言したとして出てくるのみだ。
何十年も前に写真で見た人物たちがフレディの恋人たちだとは思いもよらなかった。

本書の内容は1994年の出版から25年経っても否定されているわけではないようなので事実だと考えてよいのだろう。

ジムが83年にフレディに会って以来、しばらくフレディは、かなりの浮気性だった。ボス風を吹かし、短気に激高する性格でもあり、ジムはフレディとけんかしたり、突然出て行けと言われたりしている。しかし、その記述に悪意は感じられない。
91年にフレディの死によって二人が分かたれるまで、そして亡くなった後、ジムに起こった出来事が、かなり淡々と綴られている。「僕はただのベース・プレイヤーだ」と言ったジョン・ディーコンに共感と親しみを覚えている様子からも、控えめな人物なのだろう。

私生活でも華やかな"クイーン"(ないしはキング)であったフレディ、感じがよく友情にあふれるクイーンの他のメンバーやエルトン・ジョンなどの大物たち、思いやりあふれるフレディの母親、飼っていたかわいい猫たち。悲劇の最後がわかっている中で読んでいて心を浮き立たせたり和ませたりしてくれた。
お忍びで日本に来ていた際に、ジムは同行していたらしい。数日の滞在で日本円換算にすると億単位の出費をしていたなんて超級のロックスターである。日本人としてはそんなにお金を使うほど日本や日本のものが好きだったというのはうれしい。
何より、フレディの最後の7年間の様子をフレディと生活を共にした人物から知ることができたのはファンとして喜びだ。

遺産の大部分をジムではなく昔の恋人(元婚約者)メアリーに遺したというのはミステリーだ。ジムや他の恋人(または元恋人)たちもそれは承知していたというのだから謎が深まる。
本書の中でメアリーが子供を産むというくだりがある。当時フレディの子供ではないかというゴシップがあったのを思い出す。でも、ファンは誰も信じなかったはずだ。フレディはゲイだと考える人が多かったのではないだろうか。少なくとも私はそうだった。
しかし、莫大な遺産を遺したとなるとこの説は正しかったかもしれないと思えてきた。メアリーが子供を産む何年も前からフレディの恋人は男性のみだったようだけれど、同時に人工授精の技術は当時すでに確立されていただろう。フレディが自分の遺伝子を残したいと考えたら取りうる行動だ。ただし、ネットで見たメアリーの子供にフレディの面影はない。

ジムが人生で一番愛した人、フレディが亡くなったあと、

ときどきフレディの部屋の窓を見上げると、そのたびそこに彼が立っているような気がした。僕を見て「おーい」と呼んでくれるような気がした。


自分が人生で一番愛した存在をなくして間もなく読んだということもあり、このくだりは特に心に染みた。
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2019-06-10 (Mon)

ジビエと狩猟に対する意識が少し変わる 『みかんとひよどり』

ジビエと狩猟に対する意識が少し変わる 『みかんとひよどり』

狩猟は野生動物の命を奪う野生動物の中には人間に害をなすものもいる人間はこの問題を共有すべき社会の一員である動物好きは誰でもそうだろうと思うが、動物は何も悪くないのだと考える。これだと、駆除は必要なことだとなかなか割り切れないものだ。だからといってグリーンピースのような過激なやり方は正しいとは思えない。まじめに考えると気が沈む、難しい問題だが、小説だとすっと入っていかれる。そして導かれる。読者は難し...

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  • 狩猟は野生動物の命を奪う
  • 野生動物の中には人間に害をなすものもいる
  • 人間はこの問題を共有すべき社会の一員である

動物好きは誰でもそうだろうと思うが、動物は何も悪くないのだと考える。これだと、駆除は必要なことだとなかなか割り切れないものだ。だからといってグリーンピースのような過激なやり方は正しいとは思えない。

まじめに考えると気が沈む、難しい問題だが、小説だとすっと入っていかれる。そして導かれる。読者は難しいことを考える必要はない。


Amazonの『みかんとひよどり』のページ

ジビエも提供するフレンチレストランの雇われシェフ兼店長、潮田亮二、三十五歳が語り手だ。
専業の猟師、大高と知り合う。大高の野鳥の提供をきっかけに赤字続きだった潮田の店に客入りが良くなっていく。しかし、知り合って間もなく、大高の家は火事に遭った。大高の身辺に事件が続く。

狩猟とジビエを取り巻く環境が描かれる中で、潮田が飼うポインターと大高が飼う北海道犬の描写も犬好きにはたまらない。

サスペンス要素で引き込まれる。同時に潮田の店の経営問題も興味深い。その辺を継ぎ目なく読め、最後はハッピーエンドで満ち足りた気分にもなれた。思いのほか、良かった。
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2019-05-28 (Tue)

日本史をエンタメ感覚で読む- 『世界史とつなげて学べ 超日本史』

日本史をエンタメ感覚で読む- 『世界史とつなげて学べ 超日本史』

第1章 そもそも日本人はどこから来たのか?第2章 神話と遺跡が語る日本国家の成り立ち第3章 巨大古墳の時代と「東アジア版民族大移動」第4章 白村江の敗戦から「日本国」の独立へ第5章 大唐帝国から見た「東方の大国」日本第6章 動乱の中国から離れて国風文化が開花した第7章 日本史を東アジア史から分かつ「武士の登場」第8章 シーパワー平氏政権vsランドパワー鎌倉幕府第9章 国際商業資本が支えた室町グローバリスト政権第10章 ...

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第1章 そもそも日本人はどこから来たのか?
第2章 神話と遺跡が語る日本国家の成り立ち
第3章 巨大古墳の時代と「東アジア版民族大移動」
第4章 白村江の敗戦から「日本国」の独立へ
第5章 大唐帝国から見た「東方の大国」日本
第6章 動乱の中国から離れて国風文化が開花した
第7章 日本史を東アジア史から分かつ「武士の登場」
第8章 シーパワー平氏政権vsランドパワー鎌倉幕府
第9章 国際商業資本が支えた室町グローバリスト政権
第10章 ポルトガル産の硝石を求めた戦国大名たち
第11章 豊臣秀吉の伴天連追放令と朝鮮出兵
第12章 「鎖国」を成立させた幕府の圧倒的な軍事力
終章 徳川の平和、そして明治維新を可能にしたもの

自分は日本史を知らないというコンプレックスがあり、同時に知っておくべきだという意識があった。
まんがの日本史を読もうとしたこともあったが、結局まんが以外の解説部分を読まないと何も入ってこないというところでシリーズの本を古代で挫折した。
また、日本史は世界史とは別になっていて、どうもつながらない。そこが理解への道を阻んでいるとも思っていたので、この本はそんな自分にぴったりだと思って読むことにした。きっかけとしてはFacebook広告でお勧めされたのだと思う。

茂木氏はストーリーテラーなんだと思う。
各章の見出しで関心を引かれ、節見出しに導かれて読むと、へぇーっとなる。
結果、日本史上の重要な出来事を押えることができた。出雲大社と伊勢神宮とはどういう関係にあるのか、豊臣秀吉の伴天連(イエズス会宣教師)追放の理由など興味深かった。また、日本が古代から独立した文明を維持してきたと考えられる理由と、日本がたどってきた道が軍事力に呼応しているという考えも面白い。世界史を挟み込みながら、日本史を概観するとその辺があぶり出されてくるという仕組み。

経済は世界史から学べ』や『学校では教えてくれない地政学の授業』など、他の著書も読みたくなった。
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2019-05-19 (Sun)

シリーズでおなじみの各人物を味わう。サボイ・ホテルの殺人

シリーズでおなじみの各人物を味わう。サボイ・ホテルの殺人

マルティン・ベック シリーズ第6作。スウェーデン南部のマルメにあるサボイ・ホテルで殺人事件が起きた。実業界の大立者パルムグレンがダイニングルームで会食時のスピーチ中に闖入した男に銃で撃たれた。男は窓から逃走。パルムグレンはコンツェルンの総帥であり、事業はスウェーデン国外にも広がっていた。その中には政治的に問題のある国への武器輸出もあり、政治的な動機による過激派の犯行が考えられた。また、傘下の重役が野...

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マルティン・ベック シリーズ第6作。
スウェーデン南部のマルメにあるサボイ・ホテルで殺人事件が起きた。実業界の大立者パルムグレンがダイニングルームで会食時のスピーチ中に闖入した男に銃で撃たれた。男は窓から逃走。
パルムグレンはコンツェルンの総帥であり、事業はスウェーデン国外にも広がっていた。その中には政治的に問題のある国への武器輸出もあり、政治的な動機による過激派の犯行が考えられた。また、傘下の重役が野心から暗殺者を雇ったとも考えられた。


Amazonの本カテゴリでの「サボイ・ホテルの殺人」検索結果ページ

1969年の夏のスウェーデンの人と文化を楽しむ。また、デンマークとデンマーク人についてもちょっぴり楽しむ。
というところで、犯人を見つけ出すまでの過程は私にとってかなりどうでもいいことだったんだと、読み終わって気付く。そういうところを重視している人にとってはがっかりかもしれない。

マルティン・ベック。結婚はしていても妻と不仲。だいたいいつも風邪をひいているとか体調不良。そんな冴えないところが味なのに、本作ではなんと若く美しい警官と関係を持っている。ちょっとがっかり。
私のお気に入りのグンヴァルド・ラーソン。軍隊出身の肉体派・武闘派。言葉も行動も暴力的。だけど仕事が終わったら家で本を読んでいることを好む。実は上流階級の出身だからか上等なものを身につけているという。本作では実の妹が出てくる。そのやり取りがファンとしてはごちそう。
そのほか、マルメ警察のモーンソンもいい味出している。また、スカッケは、ステンストルムの後任として『消えた消防車』で登場したものの、本作では早くもマルメ警察勤務に。出世を夢見て頑張る姿は応援したくなる。

(英語版からの重訳ではなく)スウェーデン語からの新訳のプロジェクトは、シリーズ第5作の『消えた消防車』で打ち切りになったらしい。
英語版からの高見訳も評判が良いので、まあいいかと思った。しかし、大きな問題があった。
文字が小さい!行間が狭い!文庫の初版発行が昭和57年。+25で西暦に変換すると1982年に組まれた本ということになる。そう、昔って本の文字が小さかったよね。行間も狭かったんだね。私が昔ほとんど本を読めなかったのってこのせいかもしれない。つまり、私の集中力では耐えられない文字の大きさと行間だったということだろう。
途中で単行本に切り替えて何とか読んだ。(それでも文字は小さく行間は狭かったけどね)次作、『唾棄すべき男』は単行本にしたけど、本作の文庫本の訳者あとがきを読むと、文庫本刊行に際して手直しをしたという。そこを考えると、文庫本のほうがいいんだろうね。
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2019-05-04 (Sat)

悪魔系キャラたちが結構けなげ — 聖☆おにいさん(16)

悪魔系キャラたちが結構けなげ — 聖☆おにいさん(16)

特別編 聖☆エンジェルズ天界で四大天使たちが日本でのイースターについて緊急会議。その111 かぶりすぎて春イエスは、イースターボンネットをかぶってブッダと写真を撮り、それを大天使たちに送ることにしたその112 シャビー・チェンジ・エブリシングブッダがプラモデル塗料のペイントにはまったその113 祈祷、合掌、認証!ブッダがパソコンのパスワードを忘れてしまった。その114 白のサンドボックスイエスが春のバーゲンでスノー...

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特別編 聖☆エンジェルズ
天界で四大天使たちが日本でのイースターについて緊急会議。

その111 かぶりすぎて春
イエスは、イースターボンネットをかぶってブッダと写真を撮り、それを大天使たちに送ることにした

その112 シャビー・チェンジ・エブリシング
ブッダがプラモデル塗料のペイントにはまった

その113 祈祷、合掌、認証!
ブッダがパソコンのパスワードを忘れてしまった。

その114 白のサンドボックス
イエスが春のバーゲンでスノーブーツを買ったところ…。

その115 渚にまつわるメトセラの子ら
イエスとブッダは海にやってきた。聖人ヤコブ登場。

その116 OKどこいる? Hey中の人!
ブッダの瞑想中、マーラが幻覚に現れて、スマートホームを見せつける。

その117 ヨーソロー!まとめ買いオーシャン
ルシファーに誘われたブッダ、コストコに行く。イエスも付き添う。

その118 会いに来たアイドル
イエスが尊崇する”あ~麺”がイエスとブッダの部屋に来た。

その119 セインツ@ベビーシャワー
竜二の妻、静子が妊娠した。イエス、ブッダの関係者たちが介入。

その120 実況! ピルグリム
ペトロとアンデレがユーチューバーに。セルフ墓参りの実況で、サン・ピエトロ寺院に。


Amazon 『聖☆おにいさん(16)』のページ

巻末に『聖☆おにいさん』実写化記念の中村光と山田孝之の対談付き。

何度か声をあげて笑ったので、読んだ価値はあったな。
ペトロとアンデレの兄弟、毎度サイコー。
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2019-03-25 (Mon)

徳川家定から家茂へ。大奥 15

徳川家定から家茂へ。大奥 15

将軍は、徳川家定から家茂へ。Amazonの大奥 15へ安政の大獄など、井伊直弼は悪者として描かれている。橋本左内が出てきて、おおっと思う。一番よく利用する図書館の建物脇に橋本左内にまつわるお堂がある。安政の大獄で斬首となったと知る(いや、そのお堂の前の説明看板で読んだことがあると思うけれど、すっかり忘れていた)。また、安政の大獄とはどのような性格のものだったのか、腑に落ちた。家定と胤篤(正室、篤姫、天璋院...

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将軍は、徳川家定から家茂へ。


Amazonの大奥 15

安政の大獄など、井伊直弼は悪者として描かれている。

橋本左内が出てきて、おおっと思う。一番よく利用する図書館の建物脇に橋本左内にまつわるお堂がある。
安政の大獄で斬首となったと知る(いや、そのお堂の前の説明看板で読んだことがあると思うけれど、すっかり忘れていた)。また、安政の大獄とはどのような性格のものだったのか、腑に落ちた。

家定と胤篤(正室、篤姫、天璋院)。本巻も泣いた。

久しぶり(9か月ぶり)に読み、前の内容をほぼほぼ忘れていた。
ここは、完結まで待って、一気に読んだ方がいいのだろうかと思える。
あと、将軍として出てくるのは慶喜のみ。数巻で完結すると見込むのでここで我慢か。
次巻を読んだときのための覚え書き…

家茂の制裁として和宮が嫁いできたが、和宮は女だった。
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