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2019-12-05 (Thu)  00:00

『マイクロカプセル香害 ──柔軟剤・消臭剤による痛みと哀しみ』

環境公害の過敏症の人のための施設で働いていたことのある方に、洗剤や柔軟剤の匂い、無香料の消臭剤の匂いにさえ過敏になっていると言ったところ、この本を紹介された。
「柔軟剤・消臭剤による痛みと哀しみ」ってまさに私。というと大げさだけど、柔軟剤・消臭剤による、いらだちと、かき乱される心ぐらいは抱え込んでいる。


Amazonの『マイクロカプセル香害 ──柔軟剤・消臭剤による痛みと哀しみ』のページ

前半が被害者・発症者の声。香害アンケートの回答が60ページ余り続く。

症状は思っていた以上にさまざまで深刻なものも多い。
鼻炎、目の痛み、頭痛に始まり、吐き気、ぜんそく発作、めまい、胃痛、腹痛、動悸息切れにわたり、さらには、記憶障害、思考力低下、大量の鼻血、倦怠感で寝たきり、筋肉の硬直、重度の冷え性など想像もしなかった症状まで。

症状もつらそうだが、周囲に理解されず、クレーマーや頭のおかしい人と見なされ、人間関係にひびが入るというのは精神的につらいだろう。

自分で使っていなくても他人が使う柔軟剤の芳香や消臭剤で反応するため、職場にいられなくなり、仕事を辞めたり、お客さんが取れなくなったり。

子どもが他の子の柔軟剤等の残香に症状が出て学校に行かれないケースも。
また、中学3年で発症してその後学校に通えず、引きこもり同然の暮らしを強いられ、障害年金と生活保護で生活するという30代の人。
20年以上、そんな暮らしをしていて将来解消される見込みもないなんて。

近隣の住人の洗濯洗剤や柔軟剤、果ては川や水道水からそのような匂いを嗅ぎ取り、都市部から逃れても、農地では農薬に反応してしまう。工業地帯では工業で使う科学物質に。
病院に通うにも、電車を使うのは、乗り合わせた人からの匂いやシートへの移香で困難。自動車も新車は5年間匂いがつらいという人も。
経済的にも環境面でも生活基盤が脅かされる。

このような症状や症状をかかえる人が増えている原因を解明するアプローチが後半に続く。

まず、柔軟剤メーカーが残香を強くするためにマイクロカプセルの技術を応用するようになり、高いボリュームの香りに長時間囲まれやすい環境にいるということが説明されている。

次に嗅覚のしくみと、化学物質過敏症発症の理由となる2つの説。「トータル・ボディ・ロード」説と、「化学キンドリング現象」説。どちらにしても、製品化にあたり生成される化学物質が身心にダメージを与えていくとの説明。

そして、香害を受けたときの通常のアレルギーのようにまず「接触反応」が起きると。
次に「二次反応」が起こりやすい。これは、神経系(精神を含む)の反応により、全身の状態変化が起きるという。
それでも暴露を避けることができなければ、「防衛反応」と呼ばれる内分泌や免疫系の症状が出てくる場合もあり、体の反応としては「免疫低下」などであわられるという。
これで、被害者・発症者の諸症状の説明がつく。

柔軟剤の場合、香料の約半分は危険で有害な化学物質だという。
また、マイクロカプセル自体に問題があり、カプセル壁の材料にイソシアネートという毒性化合物が使われていると考えられるということ。本書ではイソシアネートは、杉並病(東京都杉並区の不燃ゴミ中継施設健康被害)の原因物質の1つでもあったとしている。

マイクロカプセルが使用されているのは、柔軟剤のみならず、元々農薬を長持ちさせるために使われており、他にも身近な製品として以下が挙げられている、

(前略)パーソナル・ケア製品・化粧品、シャワー用ゲル、リーブオンヘアコンディショナー、固形タイプのデオドラント、固形タイプのデオドラント、ロールオン式デオドラント、エアゾール式制汗剤、ボディーローション、化粧落とし、日焼け止めローション、セットローション、整髪用ジェル、シャンプー、オードトワレ、エアゾールボディスプレー、ヘアフォームなど。


マイクロカプセルのサイズも問題。
柔軟剤や殺虫剤には、マイクロ以下の単位となるナノのサイズの粒子を使う製品もあるという。この場合、有害な物質が肺胞上皮に沈着しても肺胞マクロファージ(免疫細胞の一種、粒子状物質を貪食する)が反応しない。


柔軟剤・消臭剤がサブタイトルに挙げられているが、被害者・発症者の声には、たばこ、排気ガスなど、従来からアレルギー物質、有害と言われるものも挙げられている。
自分にとって非常に身近な問題だと感じた。
さきほど主人の部屋に入ったら、変な匂いがした(私が苦手な2つの種類の匂いと考えているがここでは挙げないでおく)。とたんに苦しくなりせきが出始めたが、匂いがしたことを伝えると主人は自分が責められていると感じたのだろう。非常に冷淡な態度を取られた。そして、匂いの発生源を突き止めて取り除いてくれるということはないだろう。

また、具体的な製品名やメーカー名が挙げられているのだが、私がダメだと思った製品、メーカー名のものが多い。
自分が不快を感じるのは、他の過敏な人も不快を感じやすい特定の物質が原因になっているのだろう。アンケート回答者と不快感を共有しているのだ。

自分は発症には至っていないと信じたいところだが、そうでないと言い切れるだろうか。
夏でもレッグウォーマーが必要なほどの冷え性、慢性的に繰り返す頭痛や不眠といった体の不調。
昨日だって、トイレを掃除し、便器貼り付け式芳香洗浄剤を便器に付けた頃、気がついたら耳鳴りのレベルが上がっていた(元々耳鳴りがするのだが、さらにうるさくなっていた)。今日になっても鼻の奥が少しつんとする。心なしか目にも刺激を感じる。これやばいかな。
とにかく、自分で使うもの、環境には気をつけよう。

あとは、本書に書かれているように各メーカーがマーケティングの一環として消費者の声に反応して、商品や製造方法を変更して問題のない製品のみを販売してくれることを祈るばかり。

ちなみに、10月に前述の方に気をつけた方がいいと言われ、抗菌消臭剤入りの合成洗剤はやめて通常の洗濯物はマグちゃん(マグちゃんの使用個数の目安を参照してうちの洗濯量から割り出してベビーマグちゃんx2)に切り替えた。
柔軟剤も止めて、使わないか、クエン酸ベースのアラウベビー 衣類のなめらか仕上げを使ったりしている。
ニットや型崩れしやすいなどガシガシ洗えないものは、今までとおりエマールで。ただし柔軟剤はやめた。エマールは柔軟剤なしでよかったらしい。化学の先生でアトピーのあった方が他の洗剤からエマールにして改善したということだし、自分でも今のところエマール フレッシュグリーンの香りはOKなので。
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最終更新日 : 2019-12-05

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